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タイ料理のステキをはじめ、食材やハーブ、文化など。タイの魅力を色々な視点から切り取ってご紹介。タイの空気が香るような情報をイラストとともにお伝えします。

画鋲

プーパッポンカリーのお話

プーパッポンカリーのお話

とろっとろで、ふわっふわ。
まろやかなカレー風味の卵の中には香味野菜と蟹がたっぷり…。
ね、お腹が空いてきたでしょう? プーパッポンカリーの登場です。
名の通り、蟹(プー)をさっと炒め(パッ)、
カレー粉(ポン・カリー)で味をつけた、
タイ料理でも指折りのシーフードメニューです。
プーパッポンカリーと出会うには、
バンコクやリゾート地のシーフードレストランへ。
世界中の観光客や有名人が足繁く通う人気店は
大きな水槽がお客様を誘います。
お店に入ったら、活きのいい甲殻類やカラフルなお魚、
巨大なシャコ(!)やカブトガニ(!!)が並ぶ中から
大きめのマッドクラブをチョイスして、
プーパッポンカリーをオーダーして。
殻ごと、ダイナミックに盛りつけられた大皿に手を伸ばせば、
テーブルが無言になる至福の時間がやってきます。
 
プーパッポンカリーの味を特徴付けるのは
チリインオイルというラー油に似たオイルです。
辛味の少ないプリックチーファー(赤唐辛子)をたっぷり使い、
香味野菜、干し海老などのうまみが溶け込んだ複雑な味わいで、
シェフの腕が光る魔法の調味料です。
カレー粉はインドから運ばれたもの、
卵をふわふわにするには生クリームやエバミルク。
卵は鶏だけでなくアヒルのものを使うことも。
蟹の代わりに海老や白身魚、卵やクリームを使わないレシピもあり、
自由さが、比較的歴史が浅く、
近隣国の影響を受けたお料理であることを教えます。
 
異国のおいしさを柔軟に取り入れて、自分流に仕上げるのも、
タイ料理の醍醐味です。
海外のエッセンスもありながら、タイを満喫した気分で
いっぱいになるお料理、それがプーパッポンカリーなのです。
 
知らない人は知らないけれど、
知っている人は知っているプーパッポンカリー。
知ってよかった!と思うこと間違いなしだから、
ぜひ行ってみて、食べてみて。

タイカレー プーパッポン

卵のとろとろ・ふわふわを再現し、やさしくまろやかなカレー味でまとめました。ごはんはもちろん麺にかけたり、パンにはさんでも◎。

[イラスト]おおのきよみ:イラストレーター。1999年タイを拠点に7ヶ月間アジア各国を巡るスケッチ旅行に出掛け、帰国後、主に旅行関連の書籍で活動を開始する。現在も絵を描きながら旅を続け作品を発表している。著書に「おもちかえりアジア」(情報センター出版局)等。

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