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タイ料理のステキをはじめ、食材やハーブ、文化など。タイの魅力を色々な視点から切り取ってご紹介。タイの空気が香るような情報をイラストとともにお伝えします。

画鋲

スイートチリソースのお話(2)

スイートチリソースのお話(2)

旅行の楽しみはなんといってもその地ならではの味覚満喫、
という方も多いのでは。
気候や風土が反映された味に触れるとその地がずっと好きになります。
 
タイ料理は総じて“メリハリが効いた”味が特徴といえます。
甘さ + 酸味 + 塩味 + 辛さ + 香り、
地域によっては渋味・苦味。組み合わせとバランスの妙が魅力です。
 
仲良くなると、タイ人は日本人よりも甘いもの好き、
ということにも気付きます。
町のコーヒースタンドで売るコーヒー・紅茶には
エバミルクとお砂糖をたっぷり、
コンビニで買う緑茶はお砂糖入りが当たり前。
米麺のスープヌードルにもナンプラーや唐辛子と共に
お砂糖が必ず添えられます。
 
“No Sweet, No Life”、タイ料理は甘いソースも幅広く取り揃えます。
代表的なのはなんといってもスイートチリソースでしょう。
透き通った美しい赤色の液体、
その名も“ナムチム・ワーン(甘いつけだれ)”
と呼ばれるこのソースは主に
唐辛子 + お砂糖 + にんにく + お酢 + お塩 でできています。
特にフライドチキンや焼き鳥に相性のよいことから、
転じて“ナムチム・ガイ(鶏用つけだれ)”とも、
お子様や辛いものが苦手な方に人気のあるソース。
甘いソースのお料理に、
他のお料理の刺激的な辛さを中和する役割も期待して、
タイ人は食卓を囲みます。
 
モンスーン気候に覆われたタイの平均気温は29℃、
いわゆる常夏のお国柄。
歩くだけで、座っていても体力を消耗する暑さに負けず、
健康を維持するために身体に糖を蓄える習慣が根付きました。
 
甘い甘いスイーツとやさしいタイの微笑み、
これもステキなコンビネーション。
大切な人を思うおもてなし、自分へのご褒美に、
タイの甘いものは永遠に不滅なのです。

スイートチリソース

基本のスイートチリソースにローストガーリックとライム果汁を加え、さらっとした使い心地と、色々なお料理への使い勝手を考えた オリジナルソースです。

[イラスト]おおのきよみ:イラストレーター。1999年タイを拠点に7ヶ月間アジア各国を巡るスケッチ旅行に出掛け、帰国後、主に旅行関連の書籍で活動を開始する。現在も絵を描きながら旅を続け作品を発表している。著書に「おもちかえりアジア」(情報センター出版局)等。

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